6月23日まで、高知県立文学館二階企画展示室で開催されております、『山内容堂』展。
容堂公の緋羅紗地数珠文陣羽織をはじめ、ゆかりの書など50点が展示されています。

山内神社境内にございます容堂公の銅像前にも展示看板が設置されました。

この看板でも紹介されておりますように、神社所蔵である容堂公愛用の
「馴鹿彫刻玻璃杯(となかいちょうこくはりはい)」(ギヤマン杯)も展示されております。
主催する土佐山内家宝物資料館では、企画展に合わせてこのギヤマン杯をモデルにしたグラスを作成されました。
普段は資料館で大切に保管されており、展示でしか見られないギヤマン杯。
忠実に再現されたこのグラスを、ぜひ神社にも飾らせていただくことにしました。

木立にたたずむトナカイの文様を繊細にきざんだグラスの杯です。

裏面も精巧です。
《 『 酔擁美人楼上にて月下を弾かせ、
吾は玻璃杯を傾け酔郷の愉快、
一安楽国の場合 総裁職の書簡到来・・・
(大意) 酔擁美人楼で芸妓たちに月琴を弾かせ、ガラスの酒杯を傾けて
酔郷という愉快で安楽な国に遊んでいたところ、
総裁職のあなたから手紙が届きました。
』
十四代将軍家茂の勅使との対面を目前に控え、公武合体の理想実現のために日夜奔走していた容堂。激務の合間を縫ってつかの間の休息を楽しむ彼の手には、玻璃(ガラス)の酒杯がありました。
容堂の愛用した玻璃の酒杯は、後に側近へ下され、子孫の手により山内神社へ奉納されて、今にその姿を伝えています。
幕閣との舌戦で渇いた容堂の喉を潤した酒杯。酒をなみなみと湛えた当時の姿に思いをはせながら、日々の渇きを潤す憩いのひとときをお楽しみいただければ幸いです。》
(以上、グラス説明書より転載。)
神社の和室床の間に飾っておりますので、ご覧になりたい方はぜひお声をおかけください。
(山本)